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2013-03-31(Sun)

マルキ・ド・サド『ソドムの百二十日』 ③

ブランジ公爵の演説はまだ続きますがこれぐらいにしておきましょう。
サドは自分の行為が犯罪であり神に罰せられるような行いであると世の中から烙印を押されたとき、
リベルタン(信仰及び宗教的戒律に従うことを拒否して自由に振舞う精神を信条とする者)になることを心に誓ったそうでございます。
このブランジ公爵の言葉は、神に唾を吐きかけるがごとくサドのリベルタン宣言のようにも聞こえるではありませんか。
これは我々日本人とは違って、キリスト教世界においては命懸けの宣言だと思うのでございます。
また、快楽のためには何物も辞さない強烈な快楽主義者の姿がここにあります。
そしてここで嘲笑され罵倒されている、「いつもふらふら」している人間とは自分の事ではないかと私は赤面する思いでございました。
リベルタンでなくても快楽主義者でなくても、私のようなごく平凡な人間でも、
このブランジ公爵のような生き方をするべきではないか、そう思うのでございます。
さて、快楽に対してこのような強靭な精神と信念を持った公爵が三人の仲間と餌食になる大勢の犠牲者とともに120日の間、
人里離れた館で恐ろしくおぞましい狂宴を繰り広げる―それがこの『ソドムの百二十日』の物語でございます。

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