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2015-10-17(Sat)

日記~【エロスの美】

少年期の昔からギリシア・ローマ彫刻の美しさには惹かれておりましたが、
最近その男性像に激しく惹きつけられております。

不思議なものでございます、ギリシア・ローマ彫刻に関して言えば私は女性像よりも断然男性像に美しさを感じるのでございます。

おそらくそれらを作った作者たちも男の体に美を感じながら喜々として創作したのでございましょう。

以前はただ、均整の取れているその完璧なデッサンに基づいた美しさに感動していただけでございましたが、
今は男の肉体の持つ美そのものを感じるようになっております。

初めは自分が感じているギリシア・ローマ彫刻の男性像の美の正体が分からずモヤモヤしていたのでございますが、
それがエロスから来るものだと理解できたのは―唐突に感じられるでしょうが―ブルース・リーの作品を観ていたときでございました。

『燃えよドラゴン』の彼の肉体はまるでサイボーグのようで、1gも無駄な筋肉は無くすべて戦うために用意されたもののように見えます。

『ドラゴンへの道』でボディビルダーのようにポージングして見せる彼の筋肉は美しいというより「すごい」でございます。

彼の肉体を美しいというならそれは「機能美」でございましょう。

ギリシア・ローマ彫刻の男性像とブルース・リーの肉体とを比べたとき、
私はその美の違いを―ギリシア・ローマ彫刻の男性像の美しさはエロスから来る美しさだと、はっきりと確信できたのでございます。


ひるがえって女性の肉体の美しさを考えますと、
これはもうわれわれ男にとってはエロスの要素が圧倒的に大きいわけでございますが、
いやつまり何が言いたいのかと申しますとわれわれが女性の躰を見て興奮し勃起して射精する―
これはつまり「美」に対して勃起し射精しているのではないか―と、
ギリシア・ローマ彫刻の男性像の美しさがエロスだと確信したとき、そう思い至ったのでございます。

私が描かずにいられず少年の頃から罪悪感に苛まれながらも描き続けてきたもの。

それはもしかしたらギリシア・ローマの彫刻家たちが追求していたもの―エロスの美―なのかもしれない。

なぜならエロの捌け口ならいくらでもあるのに「描く」ことは止められなかったからでございます。

エロスの美。

私はこれからもこれを様々な艶露絵で追求していくことになりそうでございます。

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