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2014-12-14(Sun)

ろくでなし子 『デコまん』

ろくでなし子 『デコまん』

ろくでなし子氏自身、今回逮捕されたことでかえって自分の活動や主張が広まり、
本や作品も売れてある意味警察に感謝しているのではないかと思いますが、
それがわかっていながら今度ばかりは応援の意味も込めてこの本を買わせて頂きました。

アマゾンで買おうとしましたら「この本は現在お取り扱いしておりません」と出ており驚きました。
発禁状態なのでございましょう。
ところがKindle版では買えます、しかも¥314という破格でございます。


なし子氏がなぜまんこアートを創るようになったか詳しく漫画化されております。

幼少期の劣等感、自分の性器に対するコンプレックスから小陰唇整形へ。

そしてそれを見てもらいたいという動機で始めた「まん拓」が紆余曲折してデコまんへと昇華…。

なし子氏と事件について興味を持たれた方はぜひ一読をお勧めいたします。

女性自らが女性器と性を一種ファンシーなノリで開放して行くさまは私にとって眼から鱗でございました。

私は現行の規制が性器を隠すのは青少年と女性に配慮しているのだろうとばかり思っておりましたが、
女性自らが女性器(と「まんこ」という言葉)を解放しようとしている。

性器を隠すことを馬鹿げている下らないことだと直感的に感じてきましたがこれで自信が持てました、
これからもバンバン描いていく所存でございます。


氏のデコまん作品も幾つか載っておりまして、
その写真を見るとこれまた私が認識不足だったことがわかりました。

私は氏の作品はまんこの型取りに単にデコレーションを施しているだけだと思い込んでおりましたが、
まんこと性をモチーフにした造形作品も数多くあります。

先のコラムで書いた「一連のまんこを型取ったオブジェはまんこが無ければ何の変哲もない物」という一節は撤回いたします。


同じ性に関する表現でも氏と私ではやり方が全然違っておりますが、
「規制」に対する理不尽さや怒り、思いはまったく同じだろうと感じます。

人間が真摯な気持ちで、抑え切れぬ想いで創る表現物に、
理不尽な理由で圧力を掛けたり、
隠したり、
消したり、
つまりは「抹殺」するようなことは決して許されることではない。

表現物、作品はその作者そのものでございます。

その作品を否定するということはその作者自身を否定するということ、
その作品を抹殺するということはその作者自身を殺すというに等しい行為、
と私は思うのでございます。


付記:現在《芸術家・ろくでなし子氏の即時釈放を要求します》として署名活動が行われております。

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