あなたの脳幹を直撃する～平成/令和春画＊歓喜天翁ブログ～

少し手を加えました。
しかしこれ以上は仕上げることはないと存じますので未使用下描きとしてアップいたします。
愛着がありますゆえ、未練がましく「美優」と名付けさせて頂きました。
ちなみにすっぴんの下描きは以前、しゃにむににアップいたしました。

数年前に描いた鉛筆画でございます。
この絵のことは妙に覚えております。
と言いますのも、インスパイアされた雑誌の写真の外人女性が妙に魅力的だったのでございます。
ですのでほとんど女性の外見はそのまま描いております。
そして蛸でございますが、北斎に「蛸と海女」という有名な絵がございまして、
それのオマージュのつもりで描きました。
写真の女性のポーズがそれを連想させたのでございます。
この絵は写実的に描くつもりで、当時はパソコンも持っておりませんでしたから検索も叶わず、
蛸を一匹買ってきてデッサンしました。
もちろん描いた後は酒の肴でございます。

今回、別にご覧頂くように、完成作として軽く色を着けました。
もう過去の作品で興味が無くなっておりますのでこれ以上描き込む気力がございません。
絵はその時に筆を置いた時点が「完成」なのだと痛感する次第でございます。

私が春画を描く場合、
映像や画像に触発されてイメージを膨らませて描く場合が多うございます。
大抵の場合、自分でも元のモチーフが何だったか分からぬほど形が変わるのですが、
この絵などはけっこう元画像の原型を残しております。
これからアップしていく作品の中にも、
「おや、これはあの写真に似てるな」と思われるものがあるかもしれませぬ。

今まで描いてきたものはほとんどが鉛筆画でございます。
色彩画のための下描きではなく鉛筆だけで終わる一枚物として描いておりました。
ですので「下描き」ではなく「鉛筆画」とでもした方が正確なのでございますが、
紛らわしいですので「下描き」としておきます。

さて、そんな下描き作品がおおよそ５０枚ほどあります。
中には着色してみたいものもありますが、
ほとんどのものにはこれ以上手を加える気がありませぬ。
もともとそれ自体で完結しているものですし（未完でも）、
私自身が最近エロスについての考え方が変化してきていますので、
これらの作品が完全に過去のものに感じられ殆んど興味を無くしております。
このままではこれらの作品たちが陽の目を見ませんので、
お目障りでしょうが「未使用下描き」として発表させて頂きます。

まずは一枚。
ちなみに、この作などは彩色してみたいものの一つでございます。

明らかにバタイユの『眼球譚』の影響下で描いた作品でございます。
しかし元々の動機は、思い切ってロリータを描いてみようとしたのだったと記憶いたします。
描くうちにすぐ両性具有になり、
バタイユなどで知ったエロチシズムの象徴として悪魔（性）が登場し、
それに降伏する私の中の天使（聖）が犯される図、となりました。
途中でおぞましくなり中断したのですが、
やはりこの絵にケリを着けることにいたしました。
見て頂いてお分かりのようにこの絵は今までの私の春画とは違う異質なものです。
これから私の絵は否応なく変化していくのではないかと感じております。